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2009年2月27日金曜日

Syllabus: シラバスは予定表?それとも契約書?

*写真は「Art493:美術教育理論&実践1(K−8th:幼稚園から中学2年)」のクラスの生徒達。昨年2008年秋学期の最後の授業の日。個人発表の後、クラスルームで軽く食事会。その後「最後の晩餐」ならぬ「最後のお昼」を皆で。このクラスは小学校の先生になる学生のためのクラス。美術を通しての教育ということですね。「There is art in all subjects! (すべての学科に美術は関連している!)」


シラバスは通常コースの概要説明(目的、内容、スケジュールなど)という風にとらえられていると思う。もちろんそれは正しい。ただ米国では私たち大学教員にとって、シラバスはそれ以上、学生と私たちとの間の契約書のようなものでもある。それはどういうことかというと、シラバスにコースの目的&条件を示すことにより、このような内容&条件の下で、授業を構成し、進行していくので、君たちもそれに殉じて勉学に励むようにというお達しというわけである。

当然学期始まって最初の一日は、このシラバスの説明に時間を費やすことになる。そしてこのシラバスは、学生からクレームがきたりと何かあった時、私たち教員を守ってくれる大切な書類に変身する。そういうわけで、このシラバスの中には、コースの目的や内容の他に、学生の取るべき態度(こういう態度をとったらクラスから退却してもらうこともありうるからね〜)とか、成績の付け方の補足的条件(無断遅刻や早退が続いた場合は、自動的に成績は一ランク落ちることになるからね〜)という風に結構細かく記載されることになる。

当然成績も数値化してきちんと記録することにしている。また昨今のテクノは米国のアカデミアでは大学のシステムにしっかり反映していて、うちの大学CSU-Chico (California State University, Chico) では、Blackboard WebCT  (Web for Classroom Teaching) VISTAというオンラインプログラムを採用していて、コースごとに自動的にプログラムが立ち上がるので、このVISTAオンラインプログラム上でも常に授業予定や各生徒の成績が見れるように更新している。

こういうと学生中心のオープンなシステムのようにも見えますが(もちろんそれが本来の目的のはずですが)、私たち教員にとっては、すべてを透明にまたきちんと記録することにより、何かあった時(例えば学生が成績に文句をいってきた時)に対応するための防衛手段に早変わりします。つまり「ほれ、これこれこういうことで、キミの成績はこうなったの。(どうだ!)」という風にですね。(*こういうとなんか身もふたもない感じで、ちょっと情けない感じがしますが、悲しい事に事実です。)

日本ではまだそれほど学生は強くおしてこないのではないかと思いますが(つまり先生にまだ権威があるのではないかと、、、)、米国、特にカリフォルニアでは学生が「Take for advantage (つまり先生の値踏みをして、この先生ならこれくらいいったらどうにかしてくれるかもというような)」で一言いってくる学生が多いので、そのために万全の準備態勢で待ち受けていなくてはいけないのですね。

赴任当時は強気の学生の対応にかなり苦労しましたが、さすがに10年。心臓に立派な毛が生えつつあります。(下記私のシラバスです。ご参考まで。)*ちなみに上記の写真とこの記事とは直接関係ありません(皆良い生徒ばかりでした ^_^!)

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