Masami Toku on Flickr

MasamiToku. Get yours at bighugelabs.com/flickr

2009年2月27日金曜日

米国にて大学教員公募&選抜方法:選ぶの?選ばれるの? (Search for a New Faculty, 2/26/09)

3月、日本は受験シーズンも一息ついて、卒業式シーズンを迎えているのではないだろうか?ここ米国では、日本を含むアジア的な一斉に受験というようなものが存在しないので、大学の教員がそういったプロセスにかり出されるということはまずない。大学院は別として、学部学生の入学/転出入に関しては、Admission Office がすべて管理してくれるので、そういった意味では楽である。

しかし、この3月という季節は、大学院学生の申請受付締め切りや、(定年等で空きが出たり、追加定員のための)新しい大学教員(Tenur Faculty)の公募が大詰めを迎える季節でもある。特に大学教員新規採用に関しては、公募に集まった多くの書類の中から最も妥当と思う候補者を絞りこんでいき、その中から最終選考に残った数名(通常2−3名)を大学キャンパスに招待し、最後の選考段階に入るのがこの3月頃でもある。

今年は、世界的経済不況の大幅予算カットの中、幸いな事に芸術学部で新規採用予算枠をひとつ勝ち取ることができ、現在インテリアデザインの助教授レベルの採用プロセスが進んでいる。通常二日間にわたって行われる採用選考プロセス(研究発表、専門分野の模試授業、質疑応答面接等々)にわたしたち現職組も参加するため、結構な時間をとられることになる。それでも新しい人員が増えるといううれしいイベントなので、他の会議等に比べて、参加率は極めて高い。現在進行中のものも、今週末には最後の一人が会議で決定し、今度はその最終候補者と大学側との交渉になり、契約ということになる。大枠のサラリー体系(年俸)はあるものの、日本と異なり、一律一緒ではなく、経験やまた競争によって(例えば他の大学からも誘われていたりする場合)、サラリー(年俸)が上下したり、また仕事の条件(例えば教えるコースを一つ減らして授業を担当等々)も交渉次第ということになる。つまり私たちも候補者を選んでいるのだけれど、候補者側も他の大学と比較しながらできるだけ良い条件の大学を選んでいるというわけですね。

(もちろん選択のチョイスが多いかどうかはその候補者によるのだけれど、、、私の場合はどうっだったかというと、チョイス以前の問題で、そういうかけひきをするということを全く知らなかったの。他の大学3校から引きがあったのに、交渉自体をせずに、研究に時間を確保してほしいという口約束はしたものの、言われるままの条件で契約してしまった。う〜ん、無知と言えばそうなんだけど、当時はまさか米国で職を得るなんで予想だにしてなかったので、まあこうやってアメリカで生き残っているだけでも恩の時かなあ。そう思う事にしよう ^_^。。。)

さてそもそも公募用紙の中身はどうかというと、内容は少し大学によって、またどの専門のどの分野の人材を特に必要としているかで、変わってくるものの、だいたいの構成は大学に限らず、共通のものが多い。下記、2006年度実際に美術教育者の募集をした時の公募用紙である。


この中で、たぶん日本と大きく異なる点は、応募者の「Qualification (資格条件)」のところではないかと思う。

Qualifications: Doctorate degree in Art or Art Education (Ed.D. or Ph.D., ABD may be considered) with studio background and a minimum of 3 years of teaching in public schools or similar experiences are required. Teaching experience in secondary classroom or interdisciplinary work with innovative classroom technology preferred.

日本でよく見られる年齢制限等は全くないものの、博士号(教育博士&哲学博士、もしくはABDと言われる現在博士課程にいて、近い将来取得することになっている)を必ず持っていることと、そして教育関連現場(教職とは限らない場合もある)での経験が少なくとも3年はあることというのが、一般的な条件である。つまり「理論&実践」の二つを持っていることが求められる。また応募時の年齢にかかわらず、皆助教授からスタートすることになる。(というか、だいたい博士課程に入るにも、現場での経験が3年以上という風に設定している大学がほとんどなので、卒業して、大学で職を得る時には結構みんないい年である。この点ちょっとうれしい ^_^)

余談だが、国土の大きな米国では、出身校にもどって職を得ることはほとんどない。これは学閥を作らないという倫理上の防御策でもあろうが、アカデミックのプールを豊かにして、活性化させるためということなんだと思う。

ついでにもう一つ。公募の際、年齢や性(男女)等、差別につながる条件を示してはいけないことになっている。人間は基本的に無意識に差別&偏見意識を持ってしまう存在なので、こういった無意識の差別や偏見につながる行為&言葉は極力排除するという倫理である。非常に西洋的発想だと思うが、私はもちろん賛成である。(一度日本で美術教育の公募を見たことがあるが、年齢制限があってびっくりした。)

次は、採用後の話し、どうやって私たちは査定され、准教授(テニアを取る)に、そして教授になるのかのお話しを。

0 件のコメント: