事情を聞くと、なんでもクラスの男の子が、海に侮辱するような言葉をしつこくなげかけたらしい。それに対して、海がその子の手を引っ掻いた、とまあ学校ではよくある話のよう。たいしたことない、いつもの男の子同士のやりとりのはずだったが、その子が急に泣き出して先生に告げ口をして、、、海がおしかりを受けることになったということらしい。
「で、、、二人とも呼ばれて注意を受けたのでしょう?」と私。「いや、海だけ注意されたみたいだけど」とジョン。「それで、連絡帳にあなたは『確かにうちの息子が悪いので反省します。』と納得のサインをしてしまったの?」と再び私。「事を大きくしたくないし、そうたいしたことでもないから、、、」とジョン。「ふーん。それはちょっと不公平だわね。確かに引っ掻いたのは海が悪いけど、その子が始めなれれば、海も引っ掻くことはなかったわけでしょ。」と私。こんなささいなやりとりを少しした後、しょげてる海のもとへ。
「海君、確かにいくら腹がたったからとは言え、引っ掻くのはよくなかったわね。もし次ににたような事があっても、気にしないで無視するように。仕返しは仕返しを生むだけだからね。短気は損気よ。」とまあ、こんな風に母親として一応注意したわけ。ここでやめときゃよかったんだけど、続きがある。
「オッケー海君。お母さんとしての注意はここで終わり、次は君の友達としての言葉だからね。」「Good job, honey! (よくやったわ!)」と一言。その瞬間。息子の顔がはにかみながら、バラ色に一瞬輝きましたね。
それを横で聞いていた主人は当然私の言葉にあきれ顔。後で「君は母親として息子に暴力をふるったことを援護するつもりなの」とおしかりを受けることになるのですが、、、
まあ私としては、ガタイの大きなアメリカ社会で、小柄な息子が、ただいじめられて引き下がるような子ではなかったということに、ちょっとうれしかったの。それでちょっと励ましたかったの。
だいたい、こういうことはけんか両成敗でしょ。言葉の暴力はフィジカルな暴力と同等、いやそれ以上に陰惨だと思うのよね。教師が二人を呼んで、二人に注意するのが筋ってもんだ。それを一方だけというのは、私としてはやはりちょっとね、、、
その子も海に引っ掻かれたことによって、言葉の暴力が相手を怒らせる武器になるということを、痛みで知ったわけだし、彼にとってもよかったのだと思う事にした。(今だに、考え方の相違ということで、ジョンは私の言葉に納得してないのだけど、、、)
たぶん学校ではよくあるささいな出来事。でもちょっといろいろ考えてしまいました。
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