そういえばこの夏、日本からこちらに帰ってくる日(Tue., 8/18)が偶然手塚(眞)さんもロスアンジェルスにアストロボーイのプロモーションで渡米する日ということを、その前日東京の事務所ネオンテトラでお聞きしたことがある*。どうだったのかその後お聞きする機会のないままで映画館へ足を運んだ。
(*アマミーナ「奄美皆既日食関連プロジェクト」関連イベントの一つ少女マンガ特別展示会に参加いただいた岡野さんへその作品をお返しするために伺ったネオンテトラの事務所でそのことを知ったの。)
こちらに帰ってきてからもたびたび映画館に足を運んだが、その際予告でもアストロボーイのことが結構流れていて、その絵柄がやはり手塚さんの絵柄とはかなり異なっているので正直少々抵抗があった。そうなの。手塚さんのアトムの絵柄(特に目がちがう!!!)に慣れている私たち(日本人)には、ちょっと「う〜ん」という感じで、すごーくアメリカ的に変えられているようで、あまり期待もせずに正直出かけた。
それがた、以外というととても失礼だけど、とてもよかった。予想を良い意味でうらぎってくれました。いろいろオリジナルとは違うのだけど(リメイクなので当然といえば当然かな)、「アトム」ではなく「アストロボーイ」として見たら、人間設定の白黒がはっきりしているところをさっ引いてみても、コンテンツがきちんとしていて、良い作品だと個人的にはとても感動した。
とびおが亡くなるところが交通事後ではなく、、、(見てない人は見てみてね)に変えられていたり、キャラクターの絵柄(アトムだけでなく、天馬博士やお茶の水博士、そしてオリジナルではアトムを天馬博士から買い取ったサーカスのオーナーのランプとかとか)もかなり違うし、設定がかなり今風に異なっていたけれど、たぶん手塚さんが意図されていたアトムを通してみた社会のひずみとか差別とかが今風にアレンジされていたと思う。
例えばロボットと人間の権利設定やメトロ(Metro:裕福な都市部)とサーフェス(Surface:地上の貧民街)の二層に分かれた社会構造問題などなど、、あっそうそうジョンなんか天馬博士に感情移入してしまったのか、映画を見終わったあと、涙ぐんで一言「よかった。」でしたもの。父親と息子の関係としても見れますね。(こどもを愛していながらも忙しくなかなかこどもと過ごす時間がとれない父親とそれをさびしく思いながらもその父を尊敬している息子、、、それがそれが、ここから先は映画をみてくれ!)そういう意味では、2時間足らずの短い時間の中、きちんと現在社会の問題を反映させていて深く読める。(でも終わり方には意見がわかれるかな。)
それにね。このディレクターは絶対手塚治虫崇拝者だと思わず笑ってしまうシーンがいくつもあった。作品の背景の中にひょうたんつぎがビルの壁画(いたずら書き)に出てきたときには、息子の海(11歳)と目を見合わせて笑ってしまった。そういうところがいくつも出てきて、日本語をよく読めないながらもアトムを全巻走破したうちの息子はそういったところを見つけるたびに私に「見てみて」と話しかけてきた。(よしよしちゃんとわかってるなあとうれしくなったけど、こういう楽しみ方でこの映画を見ているアメリカ人はそう多くないにちがいない。いやいやアメリカ人を侮ってはいけないかも。おたくは一杯いるしね。)
この次の帰国の時、もし手塚(眞)さんとお会いする機会があったらこの話をきっとしよう(^_^)。
下記ちなみに米国批評サイトの情報です。参考まで。
IMDB (The Internet Movie Database:ここは実際に見た観客の批評データ): 全体平均6.4/10 (*ちなみに18才以下の男子が一番高く9.1/10)
Rotten Tomatoes: ここは観客ではなくプロの批評家のサイト):全体平均48% (ちょっと残念。もっとたぶんアストロボーイではなくアトムを期待したいたとしたらこうなるのかも。)
批評家の全体共通批評は下記の通り:
Consensus: While it isn't terribly original, and it seems to have a political agenda that may rankle some viewers, Astro Boy boasts enough visual thrills to please its target demographic.
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